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<<   作成日時 : 2012/01/04 10:49   >>

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No.512 2012年の環境課題

 明けましておめでとうございます。と言っていいのかどうか、国は喪中のような気もして、気持ちが乗らない正月です。

 昨年の大震災とそれに引き続いた原発の大災害によって、我が国の基本的なあり方の全面的な見直しが求められています。海辺に臨む都市のあり方、防災のあり方、脱原発と国のエネルギー政策の見直しなどが焦眉の急となっています。

 大地震そのものは今の科学では予知ができないものでした。しかし、東北沿岸を襲った大津波は歴史的にある周期をもって繰り返されたことでもありました。その津波の規模を過小評価すると共に、それらに備えたという防波堤や堤防、水門などの力を過大に評価していました。自然の威力を過小評価し、対抗する人工物やシステムを過大に評価していたわけです。

 原発に到っては、放射性物質のコントロールは実に微妙なバランスの上で成り立っているものに過ぎない、何かのきっかけでそのバランスが崩れると短時間の内に大事故につながり、その収束は実質的に不可能であることを見せつけました。事故は広大な土地を不毛なものにし、そこに暮らしていた10万の人々を流浪させています。大事故による即死者こそ出さなかったものの、数年後、20年後に多くの人に障害が出ることが懸念されています。

 原発も防災工事も結果から明確に分ったことは、安全(=住民の健康・生命・財産を守ること)よりも一部の企業や人の利益を守るための排他的なシステムががっちりとできあがっていたことです。そのシステムは企業・官僚・学者・政治・メディア・司法が一体になった実に堅固なものになっていました。異論も異議も提案もすべて受け付けない仕組みになっていたのです。その中ではモラルハザードを超えて腐敗が進んでいたことも知らされました。倫理観などは極端なまでに下がっていたのです。その証拠に原発の大事故は人為的なものといわれながら、実質的には関係者の誰一人きちんとした責任をとらないばかりか、他人事のような非常に奇異な発言を繰り返しています。そして、それについて国会もメディアも黙認状態のようです。

 大地震と原発事故はこういう国のあり方を打ち砕いたと思いますが、既得権にすがる企業や関係者はそれを手放すまいと必死です。彼らの復興は半ば崩壊した利権システムの再構築です。それが家財や生業を失った人々の復興に巧妙に混ぜ込まれている感じがします。

 地球温暖化問題では炭酸ガスの排出抑制が大きな課題ですが、日本の場合、09年のデータを見ると全排出量のちょうど3分の1を電力が占めています。原発の稼働がなくなるとこの比率はさらに大きくなります。少し極端な言い方をすると、日本のCO2削減は電力次第という側面があります。それ故にか日本でのCO2削減反対の急先鋒は東電の勝又現会長でした。電力会社も政府も電力におけるCO2削減の手段は原発だという言い方をして、原発の維持と増設に躍起になって来ました。しかし、原発は温暖化よりももっと大きな脅威を全人類に与えるものであることが今回の事故でも明らかになりました。 

 電力は太陽光、風力等の自然エネルギーへいやでもシフトしていかなければなりません。また、発電はコジェネをを含んで小規模分散型にならざるを得ない状況です。ですが、それを本格的にやるためには現在の送電システムを大幅に手直しせざるを得ないようで、投資も莫大になりそうです。

 太陽光発電では、各家庭の屋根に発電パネルをという考えはやめるべきです。永続性がないだけではなく、効率が悪いほかいろんな問題があり、メガソーラーを各地に作っていくべきでしょう。

 風力、地熱、波力などの開発もこれからというところがあります。バイオマス発電は余熱の需給バランスを解決しないと進むことができそうにありません。バイオマス発電を組み込んだ工場設計の可否が課題のように見えます。

 温暖化防止のための国際協定、現在の京都議定書を2013年以降どうするかという問題で、日本は世界の全主要国が加わらない協定には参加しないとして、ポスト京都議定書に白紙でのぞむことにしました。温暖化ガスの2020年の日本の削減量は90年比で25%というのが鳩山政権時の国際公約ですが、財界が25%削減に猛反対していて、野田政権は原発の稼働が少なくなることを理由にこれを撤回する方針と伝えられています。しかし、一部の研究者からは原発の全停止でも25%削減は可能という報告も出されています。日本のこの後ろ向きの姿勢は将来に禍根を残すものになりそうです。

 地球温暖化懐疑論もありますが、筆者の立場からは世界の科学者の大勢に従って、予防安全の原則に従いたいと思います。従って国のCO2削減目標切り下げには反対していくつもりです。

 大震災と原発事故は膨大な放射能つき震災廃棄物(ガレキ)を生み出し、廃棄物処理行政全体を混乱させるところにまで到りつつあります。当分の間、廃棄物処理方法の見直しなどには手がつけられない状況のようです。

 また、原発事故によって汚染された土地の除染が行われつつありますが、汚染は福島・栃木・群馬・千葉に及んでいます。線量の高い生活空間からと言うことですが、汚染は山間部から雨に流されて下流域に広がり続けると予想されていて、除染作業自体の有効性が問題視されています。その上、空間線量は原発からの新たな放出がない限り、2年経てば半減すると言われています。除染作業も復興を表看板にした事故ビジネスのような気がしてなりません。その金を線量の高い地区の人々の避難とか援助に当てるべきだと考えます。除染で生じる放射性物質入りの土砂の処分場の確保も見通しが立たないようです。
 
 震災と原発事故は家庭での環境取り組みも一転させました。各家庭も企業も節電が義務に近い形で求められ、協力度も非常に高い状況です。照明は一気にLEDに切り替わりつつあります。機器ごとの消費電力を家庭で簡単に測定する器具類も店頭に出回っています。

 2012年の環境問題は、原発をこれからどうするかをめぐる推進派と廃止派の全面対決と同時に、どさくさにつけ込んで既得権の復興以上に焼け太りを図る勢力、環境規制を骨抜きにしようとする動きをどう阻止するか、自然エネルギー普及の形をどうするかということになりそうです。  中村公雄 (2012-1-4)

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