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zoom RSS 東電は柏崎刈羽原発の被害実態と修理記録を公開せよ 

<<   作成日時 : 2011/10/04 07:48   >>

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No.491東電は柏崎刈羽原発の被害実態と修理記録を公開せよ 

 電の柏崎刈羽原発には7基の原発が並んでいる。この原発は07年のM6.8の中越沖地震でひどいダメージを受けた。地震の規模がもう少し大きかったら、今回の福島の事故同様なことになっていたと、当時から指摘されていた。

 中でも3号機、4号機は被害がひどく、地震直後はこの2機は廃炉にする以外にないのではないかと言われていた。だが、東電はすぐに復旧に取りかかり、被害が軽かった7号機を09年12月に稼働させ、その後6号機を10年1月、5号機を同年8月、1号機を11年2月に復旧させた。ダメージが大きかった2,3,4号機の修理作業中に福島の地震が起きた。

 その3,4号機の修理も東電としてはほぼ終わったらしく、福島の事故の直後、当時の清水社長はこの炉を秋に稼働させたいと発言して、慌てた周囲がその発言を打ち消した。県の技術審査にパスする見通しが微妙だったからだ。

 既に動かした4機の原発も既に2機は的点検中、残り2機も来春までに定期点検に入り、全機が止る。いったん止ると地元の再稼働の同意が得にくいと見た東電は、柏崎の原発の稼働を認めないなら電力料金の引き上げと消費者に脅しをかけた。 

 この発電所も四国電力伊方原発と同様な、見ようではより深刻な問題を抱えている。伊方原発は近傍の海底に中央構造線と呼ばれる東南海沖地震につながると言われる巨大断層を抱えている。柏崎刈羽原発も沖合の海底に長さ25kmを超える活断層が複数あり(注1)、その中には70kmと推測されているものもある。そのようなことから、中越沖地震を地震としては“でき損ない”とし、過小評価に警鐘が鳴らされている(注2)。また陸地にも海中の断層とほぼ平行に走る断層が幾本もある。また、地盤の強度はきわめて弱いとされている(注3)。柏崎が原発建設には不適との指摘は建設以前からあり、大地震の発生で立地の安全性の議論が深刻になっている。

 地震による揺れは想定していた耐震設計荷重を上回るものだった。4号機ではそれが3倍近いものだった。そうなると機器が設計上の許容値を超えた疑いが濃い。つまり機器の材料が弾性域を超える力を受けたことになる。そういう機器を再使用してはならないというのが工学的常識だ。柏崎の原発の各号機の重要機器が健全なのかどうかで激しい議論が続いている。

 柏崎刈羽原発は建物もひび割れが無数にあり、そのいくつかは貫通したものだったという。東電はクラックにエポキシ樹脂を充填して補修した。
 
 新潟県は、地震でひどく揺すられた原発の重要機器が健全なのか、そもそもの話として柏崎の立地が原発に適当なのかの審査を県独自で行うことにして、2002年に設立した通称“技術委員会”を強化すると同時に委員会の下に「設備健全性、耐震安全性に関する小委員会」、「地震、地質・地盤に関する小委員会」を立ち上げた。この小委員会は御用学者ではなく市民派の学者を登用したところに特徴があった。小委員会は当初活発な議論が交わされていたという。

 だが、親委員会が国の原子力村のメンバー(斑目春樹委員長)だったこともあり、小委員会から上がってきた論点を握りつぶし、さらには小委員会に圧力をかけ、原発の再開を急いだと言われる(注4)。実際に地震が起き、原発機器の耐震設計基準の再見直しが必要されるなかで、柏崎の機器の安全性への疑問はふくらみ、再稼働を認めたことへの見直しが起きかねない状況である。特に2,3,4号機についてはもはや強引な再稼働は無理に見える。

 そういう状況にもかかわらず、東電は電気料金を質草にして稼働を求めた。彼らの安全意識はこの程度のものだ。野田総理が言う世界最高水準の安全への挑戦か?
 
 野田総理は原発をずっと運転していく姿勢のようだが、そのためには原発周辺の地元の同意が必要だ。地元の信頼を取り戻すことは今となっては各電力とも非常に難しそうだが、電力会社が多少でも信頼を取り戻すとしたら、情報を徹底的に開示していくこと以外にない。柏崎刈羽原発のような地震でダメージを受けた原発については、被災状況とそれをどう修理したかの記録の公開が必要だ。体裁のイメージ的には国が国宝とか文化財を修復した時に作る報告書だが、その概要版程度でいいだろう。原発もそこまでの記録の公開を望みたいところだが、私企業の所有になっている上に、ノウハウほか機密が多いということでハードルは高そう。何しろ、東電は国会の特別委員会から提出を求められた過酷事故時の運転マニュアル類を全部墨塗りにして出すくらいだからだ。

 だが、東電には考えを改めてもらう必要がある。さらに東電がそれで安全と考える根拠もきちんと述べることだ。詭弁ではなくフェアネスが第一だ。それができるかできないか。

 原発は確かに私企業に帰属し、核物質を大量に扱うことからセキュリティ上の問題もあるようにも見える。だが、目に見える部分のハードに言われるほどの秘密がどれだけあるかは大いに疑問だ。と言うと、例えば配管の曲げ形状や寸法もノウハウ、配管の配置もノウハウなどなど言い出しそうだ。また、ゲリラに情報が漏れるなどと言い出すだろう。ここでの開示は技術的な機微に入ったところにはない。ゲリラの件も非現実的なことがあたかも起きるようなことを言うのは止めた方がいい。原発へのミサイル攻撃ということなら、細部とは関係がないだろう。秘密にするために、いかにももっともらしい口実を探すようなことはこの際止めるべきだ。

 原発はいったん大事故を起し、放射性物質を外に出せば周辺住民等の犠牲は言うまでもなく、その影響は全世界に及び、放出された物質回収の方法もないことを、今回の事故でも見せつけた。そういうことからすれば、原発は私的存在ではなく、公的存在である。その情報はマイナスのものを含めて最大限公開されなければならない。原発の安全情報や安全マニュアルは世界で共有されなくてはならないものだ。特に大事故情報は世界の共有財産にすべきものと思われる。原発の大事故は世界のどこでも起こってはならないものだからだ。

 政府と電力会社、原発村が不都合な情報は極力隠し、専門家以外に何が分かるか、のような態度を改めなければ、原発への国民の不安が解消することはないだろう。その上、次の事故を準備することになる。原発は即廃止すべきものだが、全廃までにまだ20年、30年かかるなら、きちんと情報を開示し、市民とともにある技術になる必要がある。(2011-10-04)


注1 鈴木康弘ほか 原発耐震安全審査における活断層評価の根本問題 科学 2008年 No.1 p.101
   筆者注: これらの断層に対して東電は着工翌年の79年から85年にかけて調査をして、4km、7lm、1.5km、9kmの4本の断層を確認していたとする。いずれも非常に短いもので、仮にこれらの断層が動いても大地震は起きないとしてきた。
注2 石橋克彦 柏崎刈羽原発のの新たな規準値振動 科学 2008年 No8  p.821
注3 立石雅昭 柏崎平野境界部に推定される活断層について 柏崎刈羽原発の閉鎖を唱える科学者・技術者の会 リーフレット No4 2009年7月 pp.9〜12
注4.新潟県の“技術委員会”、“小委員会”設立の経緯、国の保安院との関係、委員会の状況、“技術委員会”の問題点・限界については、山口幸夫 “混迷深まる柏崎刈羽原発の再開問題” 原子力市民年鑑2010に詳しい。




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