大石又七 “ビキニ事件の真実”を読む  同じことが繰り返されているのではないか

No.476 大石又七 “ビキニ事件の真実”を読む  同じことが繰り返されているのではないか

 日本の核被災は広島、長崎を含めて今回の福島で5件目。広島・長崎は戦時とはいえ、米国の原爆投下による民間人の大量殺戮事件である。3件目は1954年マグロ漁船第5福竜丸が操業中、アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験に巻き込まれて死の灰を浴びた乗組員の大半が放射能障害と差別で長く苦しみながら亡くなっていった事件。4件目は1999年東海村のJOCで作業員3人が臨界事故で死傷した件。5件目は今回の福島原発事故だ。

 時代の流れの中でビキニ事件は忘れられがちだが、日本の原子力政策を大きく転換させ、原子力の平和利用の看板のもとで原発導入に道を開くことになった事件である。この事件から日本の原発導入までの過程は米国の秘密文書などから最近明らかになっている。太平洋戦争末期のアメリカの広島・長崎への核攻撃によって、日本では反米感情に加えて原水爆への強い反対運動があった。そこへ来ての第五福竜丸事件で乗員は死の灰を浴びるわ、太平洋で獲れる魚類からは放射能が検出されるわ、日本に放射能雨が降るわで、日本の原発反対世論は盛り上がり、対米感情も悪化した。この雰囲気を転じるために、‘原子力の平和利用’の宣伝が周到に行われた。

 アメリカは冷戦でソ連の核攻撃に対する防衛線を日本に築く必要があった。同時に原発用のウラン燃料で世界市場を支配することを狙った。そこで彼らは‘核の平和利用’という看板のもとで、日本の核装備を計画した。その手先になったのが中曽根康弘であり、読売新聞の正力松太郎ほかであった。中曽根は1954年初めに原子力予算を国会に上程した。これにより日本の核開発が始まり、正力は新聞とテレビを使って世論工作に専念した。その後も両者は手を取り合って急ピッチで政治環境と世論を原子力開発へと盛り上げていった。

 そんな中で、第五福竜丸で死の灰を浴びた乗員23名は放射能症に苦しんでいた。半年後に久保山愛吉さんが亡くなる。米国は第五福竜丸にスパイの嫌疑をかけ、乗員を調べる。一方で補償交渉は日米の外務マターになり、日本はアメリカのきわめて安い見舞金を呑み、事件の封印をはかった。

 補償金が出ると、乗組員はバラバラになっていく。乗組員には差別はじめ、様々な圧力がかかり、事件に口をつぐみ、身を隠すように生きて行く人が増えたという。その中でもほぼ全員が放射線障害で肝臓をやられた上に、治療中の輸血でC型肝炎にかかり、2000年までに肝臓がんなどで半分が若くてなくなっている。大石氏は今も健在だが、彼もこれまでに帰国直後放射能症で入院治療、肝ガンで手術、子どもは奇形で流産、そして今は肺ガンで闘病中である。この間、医療保険の窓口を狭くして患者を苦しめた国と闘い、仲間の保険適用を勝ち取ったエピソードが記されている。

 この水爆実験で船員が被曝したのは第五福竜丸だけではない。著者によると、厚生省が把握しただけで被曝した船は856隻、乗員は2万人近いとのこと。だが、乗員は沈黙を強いられ、事件の広がりは完全に押さえ込まれ、被曝の事実も闇に葬られた。

 第五福竜丸事件も、多くの被曝漁船(乗員)も、日本の‘原子力平和利用’、日米友好推進のためには邪魔で隠すべきものだったことは明らかだ。

 福島の原発事故。現在、政府は避難した人々や、収入が減った人々に補償を、こういう言い方はなんだが、気前よく応じている。東電は嫌々ついてきている。だが、仕事を失っている人々を今後どう支えるかなどの策は全く示されていない。彼らはどこか新しい土地で自力で仕事を探し、家を再建していかなければならないが、東電と政府には金があるわけではない。金の切れ目がいつか来る。

 しかも被災地の人々は、空から降った放射能や、田畑の食品から大なり小なり被曝している。政府や御用学者は100mSvの被曝は安全だと言っているが、根拠があるわけではない。被曝は数年から40年後にがんとなって牙をむいてくる性質のものだ。40年後、責任を負うなどとは東電も政府も言っていない。仮に発症しても因果関係が証明できないで終わりだろう。

 だが、被災者はすでにものを言えない空気と差別を感じ始めている。その差別は周囲の誤解から生まれるものもあるようだが、ビキニ事件をみてもそうばかりとは言えない。彼らを黙らせるために、見えない組織的な雰囲気作りや工作がうかがわれるのだ。

 電力会社と政府は多額の予算を割き、メディアやネットを監視してきたし、これからも続けるという。世論工作の一環であるが、彼らにとって不都合なことを書いたり発言する人物と媒体を沈黙させるためのものだ。具体的な手口ははっきりしないが、まずは媒体の兵糧攻めと個人の孤立化だろう。そのあとは何でもありだ。ほこ先が被災者に向うのも時間の問題である。

 福島の原発事故で、農畜産物の汚染が問題になっているが、表面化するのはごく一部に違いない。いずれ全国民がなにがしかの放射能つき食品を口にさせられる。また原発構内の作業員の被曝管理の杜撰さは既に明るみにでているが、将来起こるであろう彼らの放射線障害についてもたぶん闇に葬られていくのだろう。

 第五福竜丸事件のアメリカの代わりに東電がいるだけで、東電に弱腰で被災者に冷酷な日本政府の態度は当時と変らない。政府はただ事態の収束を急ぎ、事故の本当の姿を隠すことに余念がないように見える。半世紀前の事故と今回の事故は重複するところが多い。(2011-8-10)




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