情報を隠すなら、新技術も国民に受け入れられないだろう  CCSを例に

No.621 情報を隠すなら、新技術も国民に受け入れられないだろう  CCSを例に

 特定秘密保護法、この法は言われるとおり、どんな情報を秘密にしようとしているのか皆目分らない。大臣答弁など全くあてにならない。多少時間が経つと、書かれたことがすべてになってしまうから、政府や官僚などが隠そうと思った情報は完全に秘匿でき、それを無理に引き出そうとした者は重い刑に処せられる可能性大だ。

 福島の原発事故で、東電と政府は原発内部の詳細が外部に出ることを恐れ、情報を隠そうとした。それでもおおよそのことは公開された。だが、特定秘密保護法ができた後に、こんな事故が起きたらどういうことになるか。まず、事故自体が隠されることがある。隠しようもない大きな事故であっても、出される情報はきわめて限定されることになろう。原発の敷地内で何が起きてどんなことが進行しているか、原発周辺住民にはもちろん、国民にもほとんど知らされることがなく、安全だ、心配ないとの情報だけが振りまかれるだろう。

 国民は福島の事故で、自分達で空間線量や食物に付着している線量を測定することを学んだ。測定機器も広く備えられた。それでも計測される値がこれから増えるのか減るのかも、情報を隠されると見当がつかなくなる。つまり自らの身を守れなくなる。

 今回の事故の大きな教訓は、当事者の情報隠しは不信を広げるだけ、ということではなかったか、と思う。

 政府と電力会社は一体になって、原発の再稼働に懸命だが、国民の60%は再稼働反対である。国民は政府も電力会社も信用していないのだ。実際、彼らの言動を見る限り、信用しようにもできない、そんな感じだ。東電に限らず、電力会社も政府も真実を語ろうとしないばかりか、真実を伏せ、権力で襲いかかってくるイメージが強い。彼らはこれまであらゆる手段で国民に嘘を刷り込み、国内に50数基の原発を並べてきた。大事故が起きても、彼らには反省もなく、事故から何を学んだかも不明で、現場に覆いを掛け、被災者を切り捨てて、あたかも事故がなかったかのように装おうことに懸命だ。

 地球温暖化対策として政府は、主に火力発電所からでる炭酸ガスを地下に埋蔵しようとしている。CCSと言われる新技術である。油田に炭酸ガスを押し込むと、その圧力で、残っている石油やガスを回収できると言う話もある。いったん埋蔵された炭酸ガスが地中でどうなっていくのか、よく分っていない。地中の微生物の作用や化学変化でメタンガスに変わって行くという説もある。また何かで地上に吹き出してくることがないか、ここも不確かである。CCSの技術検証は始まったばかりであるが、温暖化対策は待ったなしなので、ぐずぐずできないという雰囲気がある。

 CCSを実施に移そうとすると、必ず反対運動が起こるだろう。CCSよりも排出量削減が先だと。その通りだが、CCSを際限なくやるというのではなく、排出量を減らす環境が整うまでのつなぎだとするとCCSはCCSだとも言える。

 だが、今の政府の姿勢、不都合なことは隠すということでは、この技術が国民の理解を得られることにはならないのではないかと思われる。新技術の危険性、起きた事故も隠さず説明する態度がない限り、新技術が受け入れられる可能性はゼロである。特定秘密保護法は新技術の開発も阻害するものである。

 CCSについてあえてつけ加えておこう。同じ地中埋蔵でも、高レベル放射性廃棄物と炭酸ガスでは話が違う。前者は1万年後であっても再び地上に現れてはならないものだし、炭酸ガスは地殻の割れ目からの漏洩があっても、もちろんいいことでも許されることでもないが、ただちに人はじめ地球の生物に影響を及ぼすものではない。(2014-1-28)

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