沖縄、原発、共通項はアメリカ  “トモダチ”なるほどカタカナだ

No.463 沖縄、原発、共通項はアメリカ  “トモダチ”なるほどカタカナだ

 福島の原発事故、アメリカの関心は並なものではない。日本政府より彼らの方がはるかに敏感だったし危機感もすごかった。アメリカは日本政府がモタモタしていると見るや、すぐに相当数の“専門家”を送り込んできた。

 核についてはアメリカは豊富な経験とデータを持っている。スリーマイル島での原発事故も経験したので、事故に対しても知識がある。事故を起こした原発はアメリカの設計によるものだった。1号機は工事もアメリカが行ったものだ。アメリカが頼もしい助っ人であることは間違いなかった。

 今回の事故について、アメリカは日本にリアルタイムの詳細なデータの報告を求めた。しかもそれは非常に高圧的だった。官邸に事故対応のアドバイザーの常駐を求めたとも言われる。

 このアメリカの態度に対して日本政府はどう対処したのか。最初は警戒して支援を辞退したが、やがてアメリカのアドバイスが最優先になった。アドバイスと言えば聞こえがいいが、実際は指示または命令と同じになった。浜岡原発の停止もアメリカの指示だったとも言われる。しかし、アメリカが言ったことが正しいとも限らず、失敗もあった。圧力容器の水棺処理はその典型だった。ここでアメリカを非難する気はない。非難するとすればやはり東電であり、日本政府だろう。国民に向けてきちんとしたデータを出してこなかったし、国内の頭脳を総動員しようともしなかったからだ。

 アメリカは日本の原発事故になぜ迅速に動いたのか。隣人愛だろうか、同盟国への務めだったのか、それとももっと深い思惑を持ったものだったろうか。

 アメリカが核大国としてより多くの核関連のデータを蓄積したいとも思っていることも間違いなかった。それ以上にアメリカが最も恐れたのは日本の核戦略からの後退だったろう。同時に、事故支援で日本への中国、ロシアなどの影響を遮断することにあったろう。

 原発、さらには核燃料サイクルは、アメリカの核戦略にがっちりと組み込まれたものだ。原発は表向きの看板は平和利用だが、隠された本業は核兵器製造と言ってもよい。日本が保有するプルトニウムは08年で46.7トン、世界4位と言われる。これを核兵器に仕立て上げるには日本の技術なら数ヶ月あれば可能との話もある。日本は潜在核保有国なのだ。

 福島の原発事故にもかかわらず、日本政府は脱原発へ舵が切れない。それどころか一部の国会議員、財界、経産省などは早くも原発路線堅持に向けて行動を起こし始めた。国民には電力不足が盛んに宣伝されている。国民も微妙な空気を感じ取って、脱原発に対しては口をつぐむ傾向が続いている。

 アメリカのこの事故への対応をよく見ていると、アメリカの沖縄基地への態度と重なることが分かる。決して“トモダチ”としての援助ではない。(2011-6-10)

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