東電福島の津波災害は予測されていたこと 足が震える原発危機

No.456 東電福島の津波災害は予測されていたこと 足が震える原発危機  

 被災した東電福島の模様があれこれ伝えられる中で、状況は一進一退とも言われるが、筆者が見るところでは、現場での関係者の決死の対応にもかかわらず、残念ながら事態は好転しているとは思えない。

 3号機で黒煙が出た、とか格納容器の頂部の温度が異常に高いなどの報道を聞くと、ぞっとするより足が震えるようになってきた。細かなことは言いたくもないが、制御棒が挿入された状態で炉心温度が400℃というのはどういうことなのか。そんなところに冷水を送り込むことがどうしてできるのか理解できない。仮に水が入るとしても、注入した瞬間に蒸気になるだろう。注水量が多くなると、ただでも脆くなっている圧力容器はぱりんと割れてしまうかも知れない。

 現場では刻々と打つ手がなくなっているように思えてならない。外部からの電源にえらく期待が集まったが、海水に浸かった機器など、仮に動いたとしてもまもなく壊れると考えていた方がいい。電気の回復で熱交換器が動くなどはかなり幻想に近い。実際に2号機は内部の線量が多く、アクセスできないと言うではないか。黒煙を上げたのが、何かは分からないが、考えられることはケーブルとも言われる。ケーブルとすれば致命的な恐れもある。

 何とかこのあたりで収束して欲しいとは思うものの、神頼みの願いに過ぎない。

 原発は被曝との闘いだ。だが、その闘いは今や発電所内に留まらない。東北から関東の広いエリアの数千万人を巻き込もうとしている。原発からの放射性物質が周辺に広くばらまかれ始めたからだ。海に陸に川に。福島、茨城、群馬などの葉物野菜は出荷禁止とか摂取制限とか。東京で飲み水にイエローカードが出ている。

 原子力資料情報室が08年に出した“原発は地震に耐えられるか”というブックレットの中には福島原発の津波対策が疑問視されている。また同室の勉強会で、原発と津波のことが話題になったことがある。また、津波対策について国会で質問されたこともある。この地震については“未曾有の”と言う形容詞がつけられるが、この原発にとっては予想されたことだった。想定外などなどではない。少数者の意見などは邪魔とばかりに産官学、さらに司法も含めて押し潰してきた結果がこれだ。人災そのものである。

 福島の第2発電所はかろうじて停止状態に持ち込むことができた。だが、激しい揺れによる機器や建屋の損傷などのチェックはこれからだ。

 ただ、23日の余震は原発の直下で起きている。ということはこの原発、第1も第2も、断層の上に載っているのではないのか。それなら再稼働はあり得ないのではないか。

 中越沖地震でダメージをうけた柏崎・刈葉の原発は、慎重論を唱える学者や団体などをねじ伏せる形で強引に再起動されたと言われている。

 なぜ、自然の前に、科学にもっと謙虚になれないのか、理解できない。

 原発被害が拡大する中で、早くも原発炉線の維持を訴える政府関係者や財界人が相次いでいる。彼らが“日本の”と言う時、原発立地の住人などは含まれないらしいのだ。先の太平洋戦争では国外に出されて軍人は日本人ではないかのごとく扱われ、命を落とした。同じような構造が再現させられようとしているように見えてならない。(2011-3-24)
 

 
 





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