家電製品 省エネの影で短命化が図られていないか

No.362 家電製品 省エネの影で短命化が図られていないか

 家電製品のエコ化が進む。数年前に比べると○○%省エネとうたったものが出回る。しかも価格も安い。あわせて大変結構に見える。だが、密かに懸念していることがある。それは寿命が短くなっていないかということだ。もし短命化が図られているとすれば、その製品の全ライフを考えた時、省エネは相殺されてしまうことも、逆に増エネになることもある。そんなことはないかと案じている。

 購入して一年にも絶たない冷蔵庫が故障した。サービスマンの話では可動部のシャフトが脱落していたとのこと。シャフトといっても、穴の空いた鋼板2枚に差し込んである簡単な構造のものだったが。彼はそのユニットごと交換していった。本来自然に外れるはずもない軸がなぜ簡単に脱落したのか?

 そのサービスマンはぼやいた。最近冷蔵庫に限らず昔に比べて故障が増えて忙しくて、と。彼は故障が増えた原因を多機能になったから、と言った。

 だが、筆者の見るところは違う。設計から余裕を奪ったからだ。単純に省エネを図るためにはパーツや材料を小型・軽量化することである。これは同時にコストダウンにもなるものだ。例えば、強度ならぎりぎりをねらった設計をする。しかも、“理論”でのものだ。結果、設計時の想定を超える重量をかけたとか、ものを詰め込んだなどの使い方で、パーツに歪みや変形が生じやすくなる。メカでは0.3mmの狂いでも動かなくなることが多い。動きが悪くなったところにさらに無理な力をかけると、破壊につながる。事情は電気部品でも同じだろう。

 実はこの冷蔵庫、既に一部のプラスティック部品が破損している。これも多少乱暴な使い方をしたからだが、それにしても簡単に割れてしまったなあ、と思ったものである。あえて取り替えるほどでもないから、そのまま使っているが。

 消費者にとって製品の寿命は来てみないと分からないものである。購入時に寿命を判断する手がかりは全くない。数年後あるいは10年後買い替えが必要になった時、短かかったなと思ってもクレームの持って行き先はない。仮にメーカーに言っても、製品にはばらつきがあり、お買いになったものが運が悪かった、くらいでかわされるのが落ちだ。一方のメーカー側は製品戦略として、ある目標寿命で設計をしていることと思われる。が、それは秘中の秘だろう。

 国が本当にエコ製品を国民に使わせたいのなら、メーカーに製品の長寿命化に対するガイドラインを示すべきだろう。製品ごとの故障率発表の義務化もあろう。メーカーは例えば同じ冷蔵庫でも保証寿命による価格のグレード分けをしてもよかろう。現在の補修パーツの在庫期間も大幅な見直しが必要だろう。

 基本的に省エネ化と製品寿命はほぼトレードオフの関係に近いのではないか、それを片方だけを強調するのは、何か胡散臭い思いがする。インチキや偽装ではCO2削減には全くつながらない。(09-07-25)

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