吉兆事件 特権階級の腐敗の象徴 国民生活には被害なし

No.222吉兆事件 特権階級の腐敗の象徴 国民生活には被害なし

 老舗料理店、船場吉兆の食品偽装が毎日のようにニュースに出てくる。それほどにこの会社はズルを重ねていたということ。ほぼ全商品の産地と賞味期限偽装。販売された食品には証拠が残ったものの、料亭でその場で胃袋に収められたものがどうだったかまでは詮索されていない。同じ会社の料理だから、こちらも偽装されていたと見るのが常識というものだろう。後味が悪い話だが、ところで、この店の製品誰が買い、誰が消費したのか。

 この料亭を利用した人は国民のほんの一握り、ここの販売品を愛用したのも同じ。つまり、国民の90%いや95%の人にはまったく関係がない話だろう。なにせ、料亭なら、一人が酒抜き、仲居抜きで4万円も6万円もするのだから、小遣いでいけるような話ではない。グループ店には一元様(=初めての客)お断り、というのもある。公金による会合や外国からの賓客、企業の接待、特別の人の家族や親族専用に近い店だ。接待された人は、どこそこの次官など、どうやら高級官吏も含まれるらしい。商品も高額だったに違いない。しかし、この店をひいきにした方々には悪いが、彼等の舌は偽装を見抜けなかったということ。もっとも料亭のお楽しみは味だけではなさそうだが。

 店は客の味痴を見抜いていた。そして今回の偽装露見も、客からのクレームではなかった。それゆえ、店は客へ詫びる必要を感じなかったようである。経営者はTVを通して天にまします創業の祖父には詫びたが、客にも観客の国民にも詫びることはなかった。テレビの記者会見では、春秋高くなり、世の中を知り尽くした母親が横について、50いくつにもなろうという息子に独白(せりふ)をつけていた。息子の社長は舞台慣れがない上に、相当に稽古不足だったようだった。この店、大阪の漫才落語などの中心部、難波からもそう遠くないところにある。見ようでは、ここの経営陣はどこか、あのシニカルで権力も笑い飛ばすシーェクスピアが乗り移ったのではないかと思われるところがあった。高砂あなごの表示は目出度いことばにあやかった、産地とは無関係、とはよくぞ言ったものである。ただ、舞台に出るためには、日頃からのきちんとした練習が必要だった。

 格差社会が進み、三度の食事もまともにとれない家庭が増える中、超高級料亭の不祥事。だが、それは特権階級の愚かさと腐敗の象徴でもあった。船場吉兆の追詰められてもまだレトリックに逃げ込もうとする傲慢さ。反省など、どこにも見えない。

 だが、このニュース、国民生活とはほとんど関係のない話。被害を受けることもない。そこは三つ星レストランの話題も同じ。つまり、勝手にどうぞ、の世界だ。これらの報道に多大な時間を割くメディア。メディアは国民に伝えなければならないもっと重要なことがいろいろとあるように思われる。

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