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zoom RSS トランプの脱炭素社会への抵抗 効果はほぼないだろう 

<<   作成日時 : 2017/03/31 01:18   >>

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No.691 トランプの脱炭素社会への抵抗 効果はほぼないだろう 

座礁資産 (Stranded Assets) を、地球温暖化が進み、使うことができなくなる資産のことと限定して考えると(注)、その代表は石炭と石炭利用設備である。そう遠くないうちに、化石燃料と関係設備全部が座礁資産になる。

 地球温暖化の緩和のためには2050年には現在排出しているCO2の量を80%削減しなければならない、とされる。今世紀末にはゼロだ。資源でCO2を出す量が最も多いのが石炭で、石炭は資源としてもはや使えないことを意味する。CO2排出規制が進めば、石油やガスが座礁資産入りすることは理の当然だ。化石燃料を利用する設備も、持っていても動かす事ができなくなる。座礁した船と同じ状態になる。

トランプ大統領は、オバマ前大統領が温暖化の進行を止める対策として打ち出していた石炭利用規制等を解除した。座礁しかけている資産を救おうというわけだ。それに先だって、彼は合衆国環境保護庁(EPA)の温暖化研究に無駄だと制限をかけ、新年度の予算を30%以上削減してその分を軍事に回す案を作っている。

 トランプは地球温暖化に極めて懐疑的で、パリ協定からも離脱したいと、選挙中から訴えていた。アメリカの一部の人々は生物進化論も生命科学も認めようとはしない。彼もこの系譜に属するらしく、彼の科学への考え方は全体的に1世紀前あたりのところで停止しているか、途方もない夢の中にある。

 そのトランプの座礁資産救済、温暖化防止協定骨抜き、さらには協定離脱は実効性がどれだけあるか?

 あまり影響がないのではないかというのが、温暖化問題を国連で検討している関係者の大方の見方だ。理由は、全世界の方向が脱炭素社会に向けて足並みがそろっていることにある。そんな状態の中で、アメリカが反旗を揚げても、身動きがとれないということだ。すでに、機関投資家や世界の大企業が座礁資産から投資を引き上げ始めている現実がある。

もう少し卑近なことを言うと、トランプはすでにレームダックとの見方がある。支持率が下降を続け、この体制が4年間続くことにすでに黄信号が点っている。当然、実業家はPOSTトランプを見ている。4年後(ひょっとしたらもっと短い)、政権が代わって、座礁資産への規制がもとへ戻ったら、あるいは強化されたら、と考えると、この大統領令への効果は極めて限定的となる。
 
アメリカは消費大国で、一人当たりの資源消費量もCO2の排出量もダントツだ。地球温暖化対策ためには、アメリカの生活様式と、アメリカ社会がもつ資本主義の価値観――大量生産・大量消費――を見直す必要がある。そこを野放しにして、アメリカファーストなどと言っても、それはいずれ行き詰まる。その行き着くところは、力ずくで世界の資源と食料、富をアメリカに集中させ、アメリカの好き放題を認めろということだろうが、それはできないし、自滅の道である。

 トランプに欠ける共生の思想と長期視野、唯我独尊。だが、限界は明らかである。

ちなみに日本。関電が今年になって、赤穂の火発の燃料を石炭にするのを取りやめ、千葉で計画していた石炭火力計画も取りやめた。そのことはいい判断だったと思う。それでもまだ40機以上石炭火力の新増設計画がある。   (2017-3-30)

注。座礁資産は厳密には時代の価値観が変わると使えなくなる資産で、その意味では原発もその関連資産も座礁資産とみてもいいだろうが、ここでは化石燃料関連に限定した。

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