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No.285 証言記録“兵士たちの戦争”を見た 1 あまりにも無謀、冷酷 NHK製作の”証言記録「兵士たちの戦争」”、昨年放映された7回分と、今年の6回分を見た。60数年前の太平洋戦争がずい分惨めな戦争だったとは、うすうす聞いていたが、あれを見ていると、まさに言葉を失う。仕掛けた戦争というのに、何という無謀さと酷薄さ。そもそも、戦争になっていない。日本の超エリート集団が企画した戦争だったはずだが、一体あの戦争は何だったのか。どうしてあの無謀さにブレーキがかからなかったのか。 13回のキーワードを自分なりに探すなら、“無謀”、“無補給”、“無装備”、“夜間移動”、“飢餓”、“突撃”“夜襲”、“白兵戦”、“玉砕”、“無援軍”、“友軍”、“手榴弾”、“壕”、“遺棄”、“命令”、“転戦”、“撤退”、“灼熱”、“敗残”、“蛆”、“死臭”、“戦死”・・・・・・。 圧倒的な敵軍の重火器と弾薬のもとに、次々に命を落とした兵たち。玉砕だのなんだので、外地に派遣された兵の90%が帰ってこなかった戦争の実態。それは銃器も弾薬もなく、その前に食料も医薬もなく、補給は最初から計画にあったとも思えないもので、第一線は何を持って戦えということだったのか。予想をはるかに超えた敵の兵力、装備。敵の強力な装甲車、戦車、艦砲の前に完全に無力、文字通りの鉄砲水のような掃射を、一発の反撃もできず壕や窪地でやり過ごすだけ。やり過ごせた兵はわずか、その後を見ると生き残ったことがラッキーだったのか、さらなる不幸の始まりだったのか。突撃だ、夜襲だ、白兵戦だといっても、敵陣までたどり着かない、自殺に出かけるようなもの。敵の集音マイクに、照明弾、掃射。兵器と食糧を背中に、数百qのジャングルや山岳の、歩きながら眠る強行軍。消耗の末たどり着いた目的地には敵が待っていた。補給がないのだから、持久も何もない。飢え、病、重傷、それはそのまま命の終わり。薬の代わりは手榴弾だったり、昇汞水の注射だったり。いつか援軍が来ると待つも、ついに来る日はない。分かることは、あれは棄民だったということ。国が、南方の島々や大陸に、若い日本人を捨てたのだということだ。 実際、戦線が厳しくなると、本部は絶対防衛線なるものを狭めていった。線外になった戦地の島は捨て石。そこで敵をいかに消耗させるかという戦略に変わる。最後は沖縄も本土防衛の捨て石。島民も派遣された兵士も棄民同然だ。 ピラミッド型の命令組織は非常に強固で、末端の兵士はどんな状況になっても戦士であることを放棄しない。いったん出された命令を取り消されるまで守る兵たち。全島が制圧されても、まだ戦闘を続けようとする残存兵たち。現場指揮官も上層命令に背くことはない。玉砕しろとの命令なら玉砕、死守となれば、見方がどんどん減っていっても死守。命令と状況に耐えられないならなら自害。それと状況がどんなに悪くなっても、日本は勝つと信じていた兵たち。すべてが消耗に輪をかけた。 また、ちらちらとのぞく日本兵による虐殺、略奪、これも見逃せない。 (続く) このドキュメンタリーの昨年分は8/4からNHKBSハイビジョンで再放送予定である。 |
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